住宅改修 vs 福祉用具貸与|ケアマネ20年の本音
はじめに|この悩み、現場で一番多いです
「手すりを付けたいけど、工事がいいの?それともレンタルで十分?」
この相談は、ケアマネとして本当に何度も受けてきました。
ご家族は、
- 失敗したくない
- 無駄なお金を使いたくない
- あとで後悔したくない
そんな思いで、必死に情報を探されています。
結論から言うと、
状態が不安定な時期はレンタル、長期利用なら住宅改修。
これが、20年間現場を見てきた私の答えです。
この記事では、
住宅改修と福祉用具貸与、それぞれのメリット・デメリットと、失敗しない選び方を、実例を交えてわかりやすく解説します。
住宅改修と福祉用具貸与の違い
まずは、それぞれの特徴を整理してみましょう。
| 項目 | 住宅改修 | 福祉用具貸与 |
|---|---|---|
| 費用 | 上限20万円(1~3割自己負担) | 月額数百~数千円 |
| 安定性 | ◎(しっかり固定) | ○ |
| 柔軟性 | △ | ◎ |
| 状態変化への対応 | △ | ◎ |
| 賃貸住宅 | △ | ◎ |
| 長期利用 | ◎ | △ |
まず結論|迷ったら「レンタルから」
退院直後や、要支援1・2、要介護1~2の方など、
身体状態が変わりやすい時期は、まず福祉用具貸与(レンタル)がおすすめです。
福祉用具貸与のメリット
- 本人の状態に合わせて 高さ・位置・本数を柔軟に変更できる
- 賃貸住宅でも設置可能
- 月額数百~数千円で導入でき、初期費用の負担が少ない
私は現場でよく、
「まずはレンタルで様子を見ましょう」
とお伝えしています。
住宅改修が向いているケース
一方で、住宅改修がとても良い選択になるケースもあります。
住宅改修が向いている人
- 要介護2以上
- 身体状態が安定している
- 今後も長く自宅で生活したい
- 持ち家
住宅改修はしっかり固定でき、安全性が高いため、
長期的に見れば、安心とコストの両面で優れた選択になります。
現場でよくある「失敗パターン」
① 勝手に工事 → 全額自己負担
息子さんが良かれと思い、ホームセンターで手すりを購入して自分で設置。
後から、
「これ、材料費は介護保険で戻ってきますよね?」
と相談されるケース。
結論:戻りません。
介護保険の住宅改修は、事前申請が必須です。
相談してくれていたら、数万円の自己負担で済んだのに…。
② 知り合い業者に依頼 → 申請できない
「知り合いに工事業者がいるから」と依頼したら、
介護保険の住宅改修は初めてで、
申請書類が作れず、図面も手書き。
結果、何度も修正が入り、工事が大幅に遅れてしまいました。
工事のプロでも、介護保険住宅改修は別物です。
③ プロなのに、使えない手すり
高さや位置が合わず、
「そこにあっても全然使えない…」
というケースも珍しくありません。
高齢者の身体動作を理解した設置が不可欠です。
餅は餅屋|両方扱う業者がおすすめな理由
私の経験上、
福祉用具貸与と住宅改修の両方を行っている業者に相談するのが、最も失敗が少ないと感じています。
理由は、二つの視点で提案ができるから。
組み合わせ提案の実例
実際には、
- 玄関の外階段 → 住宅改修
- 家の中 → 手すり貸与
という組み合わせ提案をするケースが非常に多くあります。
外階段は固定した方が安全性が高く、
室内は状態変化に合わせて柔軟に対応できるため、
安全性と柔軟性のバランスが取れた方法です。
見落としがち|「限度額」の落とし穴
福祉用具貸与は、毎月の介護保険利用限度額を使います。
手すりを何本もレンタルすると、
その分、
- ヘルパー
- デイサービス
- 訪問看護
などに使える枠が少なくなってしまいます。
そのため、
長期間使う手すりは、住宅改修で設置した方が、結果的に介護サービスを多く利用できる
というケースも少なくありません。
これは、家族が最も知らずに損をしやすいポイントです。
ケアマネ20年の判断基準|迷った時はここを見る
私は、次の3つを軸に判断しています。
- 身体状態の変化予測
- 住環境(賃貸か持ち家か)
- 家族の介護力
「今」だけでなく、
3か月後、半年後の生活を想像することがとても重要です。
まとめ|失敗しない一番の近道
住宅改修と福祉用具貸与、
どちらが正解、ということはありません。
その人の暮らしに合っているか。
それが一番大切です。
そして、
住宅改修で一番やってはいけないのは「とりあえずやってみる」こと。
迷ったら、まずケアマネに相談。
それだけで、
- 無駄な出費
- 使えない工事
- やり直し
を確実に防ぐことができます。
住宅改修は、
家を直すことではなく、その人の生活と尊厳を守る選択。
後悔のない判断をしていきましょう。
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