ケアマネとして相談を受ける中で、特に多いのが次のような声です。
👩⚕️ ケアマネ20年の現場から
在宅介護のおむつ問題
朝の尿もれ・送迎中の失禁は
「選び方」で改善できる
毎朝のシーツ交換、送迎中のトラブル、認知症の方のリスク対策まで
現役ケアマネが現場の視点で解説します
😰 「毎朝おむつから漏れていて、シーツ交換から一日が始まる…」
😰 「デイサービスの送迎中に失禁して、本人が恥ずかしがるように」
😰 「リハビリパンツにすればいいの?テープ式の方がいいの?」
📋 この記事でわかること
🌙 POINT 1
朝のおむつ漏れが続く理由
朝のおむつ漏れで一日がスタートする。これは、介護家族にとって体力的にも精神的にも大きな負担です。しかし、原因の多くは「夜間専用のパッドに変えていない」という、シンプルな選択ミスによるものです。
🔍 朝の漏れ、3つの原因
日中用をそのまま夜も使用
日中用は吸収量が少なく、夜間の長時間使用には不向き。2枚重ねても根本解決にならないケースが多い。
夜間の尿量に対して吸収量が不足
夜間は交換間隔が長いため、トータルの尿量が日中より多くなりがち。高吸収タイプが必要。
寝返りが少なく尿が一か所に集中
寝返りができないと、尿が同じ部位に集中し、横漏れの原因に。フィット感の確認も重要。
✅ 朝の漏れを減らす3つの対策
- 夜間・長時間用の高吸収パッドに変える(これだけで改善するケースが非常に多い)
- 就寝前に必ずトイレへ誘導し、パッドの状態を確認する
- ポジショニング(体の位置)を整え、横漏れしにくい姿勢にする
🚐 POINT 2
デイサービス送迎中の失禁トラブル
デイサービスの送迎時間帯は、実は失禁のリスクが特に高いタイミングです。移動・乗り降りの動作や、車内での緊張が尿意を誘発します。また、「デイに行く」という心理的な緊張も影響します。
🔍 送迎中に失禁しやすい理由
移動・乗降の動作
車への乗り降り時の体動が腹圧をかけ、尿もれを引き起こしやすい。
緊張・焦り
「間に合わなかったら」という不安が逆に尿意を強め、失禁につながる悪循環。
吸収量の不足
リハビリパンツのみでは、まとまった量の失禁に対応できないことがある。
✅ 送迎時のトラブルを防ぐ対策
- 送迎前に必ずトイレへ誘導する(出発15〜20分前が目安)
- 送迎の時間帯だけ高吸収パッドを併用する(時間帯での使い分け)
- 本人が「漏れても大丈夫」と思える安心感を持てるよう声かけをする
- デイのスタッフに失禁リスクを事前に伝え、到着後すぐトイレへ誘導してもらう
💡 「時間帯での使い分け」が鍵
一日中同じおむつ・パッドを使う必要はありません。外出・送迎時だけ高吸収パッドを追加するなど、状況に合わせた使い分けが、本人の安心感と家族の負担軽減につながります。
🩲 POINT 3
リハビリパンツは万能ではない
リハビリパンツ(パンツ型おむつ)は、本人が自分でトイレに行けるという尊厳を守る意味で大切な選択肢です。しかし、すべての方に最適とは限りません。
リハビリパンツ
パンツ型
自分でトイレに行ける方向け。下着感覚で使えて尊厳を守れる。ただし吸収量に限界あり。
尿取りパッド
パッド型
おむつに重ねて使う。吸収量を増やせる。日中用・夜間用・高吸収など種類豊富。
テープ式おむつ
テープ型
寝たきり・介助が必要な方向け。脱がさずに交換でき、大量の尿にも対応できる。
パンツ+高吸収パッド
併用型
最も多い使い方。パンツの自立感を保ちながら吸収量を補える。ただし認知症の方は注意が必要。
💡「パンツタイプにこだわらない」ことが、負担を減らすことがある
本人の尊厳を守りたいという気持ちは大切です。しかし、吸収量が足りなくて漏れが続く、夜間の介護負担が大きいという場合は、テープ式への切り替えも現実的な選択肢です。
⚠️【要注意】認知症の方のリハビリパンツ+パッド併用
認知症の方がリハビリパンツとパッドを両方使っている場合、思わぬ事故が起きることがあります。
🚨 パッドを便器に流してしまうケース
こんな事故が実際に起きています
- 1トイレで排泄時、パッドが便器に落ちる
- 2認知症の方は、パッドをトイレットペーパーと区別できずそのまま流してしまう
- 3排水管が詰まり、業者対応が必要になる
🚨 排水管詰まりの影響は深刻です
生活が一時的に止まる・業者費用が発生する・家族の精神的・経済的な負担が大きい——これは決して珍しくない事故です。認知症の方にパッドを使う場合は、必ずリスクを評価してください。
🚽 POINT 5
一人でトイレに行けても、パッド併用が最適とは限らない
「自分でトイレに行けるから、リハビリパンツ+パッドで自立を守りたい」というご家族の気持ちはよくわかります。しかし、パッドの管理ができるかどうかは別の問題です。
❶
パッドの交換・取り外しが難しい
手指の機能低下や認知機能の低下で、パッドを正しく着脱できなくなることがある。
❷
使用済みパッドの処理ができない
使ったパッドをゴミ箱に捨てる、新しいものに替えるという動作が難しい場合がある。
❸
便器内に落とすリスクがある
前述の通り、認知症の方はパッドをそのまま流してしまうことがある。
✅ こんな場合は「パッドなし」の方が安全なことも
- 尿量が少ない方であれば、リハビリパンツ単体で対応し、失禁後はパンツごと交換する方法が安全
- この方法は「後退」ではなく、事故を防ぐための現実的なケア判断です
- ケアマネジャー・デイのスタッフとよく相談して決めましょう
🛡 POINT 6
自立よりも「安全」と「在宅生活の継続」を優先
「できることを続けてほしい」「自立を保ってほしい」——これは介護の大切な考え方です。しかし、事故やトラブルが起きれば、在宅生活そのものが続かなくなることもあります。
📌 ケアマネの現場からのメッセージ
おむつの使い方を介助前提に変えることは「後退」ではありません。それは、本人と家族が安全に在宅生活を続けるための、現実的で必要なケア判断です。状態が変化したら、迷わず見直しましょう。
🔄 状態に合わせた見直しのタイミング
漏れが続く場合
朝の漏れや送迎中の失禁が続く場合は、パッドの種類・サイズ・吸収量を見直す。
認知症が進んだ場合
パッドの管理が難しくなってきたら、テープ式への移行やパッドなしを検討。
家族の負担が限界な場合
夜間交換の回数が多すぎる場合は、夜間用高吸収パッドへの変更で介護負担を減らせる。
💴 POINT 7
おむつ助成制度と医療費控除も忘れずに
おむつ助成制度(自治体)
多くの自治体で、要介護認定を受けた方を対象におむつ代の一部を助成しています。
ポイント:自治体ごとに条件・上限額・対象品目が異なります。所得制限がある場合も。
住んでいる市区町村の介護保険課・福祉担当に確認しましょう。
ポイント:自治体ごとに条件・上限額・対象品目が異なります。所得制限がある場合も。
住んでいる市区町村の介護保険課・福祉担当に確認しましょう。
医療費控除(確定申告)
一定の条件を満たす場合、紙おむつ代は医療費控除の対象になります。
条件:医師が必要と認めた旨の「おむつ使用証明書」が必要。要介護2以上の方は2年目以降、市区町村の証明でも可。
年間負担が大きい家庭ほど、知っているかで差が出ます。
条件:医師が必要と認めた旨の「おむつ使用証明書」が必要。要介護2以上の方は2年目以降、市区町村の証明でも可。
年間負担が大きい家庭ほど、知っているかで差が出ます。
💡 担当ケアマネジャーに相談を
お住まいの自治体の助成内容や医療費控除の手続きについて、ケアマネジャーが情報を持っている場合があります。遠慮なく聞いてみましょう。
✅ まとめ|おむつは在宅介護を支える大事な道具
- 朝の尿もれは夜間用・高吸収パッドへの変更で改善するケースが非常に多い
- 送迎中の失禁対策は、出発前のトイレ誘導+時間帯での使い分けが効果的
- リハビリパンツは万能ではない。尿量・状態に合わせてテープ式も検討を
- 認知症の方のパッド併用は排水管詰まり事故のリスクがある。状態に応じてパッドなしも選択肢
- 「介助前提のケアに変える」ことは後退ではなく、在宅生活を続けるための現実的な判断
- おむつ助成制度・医療費控除など、使える制度は積極的に活用を
おむつは、ただの消耗品ではありません。
在宅介護を無理なく続けるための、大切なケアツールです。
選び方に迷ったら、ぜひケアマネジャーや
担当のデイサービススタッフに相談してみてください。
在宅介護を無理なく続けるための、大切なケアツールです。
選び方に迷ったら、ぜひケアマネジャーや
担当のデイサービススタッフに相談してみてください。
※本記事の内容は一般的な介護現場の知識に基づくものです。個別の状況については、担当のケアマネジャーや医療専門職にご相談ください。


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