在宅介護をしていると、必ずと言っていいほど出てくるのが「おむつ」に関する悩みです。
ケアマネとして相談を受ける中で、特に多いのが次のような声です。
- 毎朝、おむつから尿が漏れていて、入浴やシーツ交換から一日が始まる
- デイサービスの送迎中にトイレに間に合わず失禁してしまった
- 本人が恥ずかしがり、デイサービスに行きたがらなくなった
どれも在宅介護では珍しくありません。
結論からお伝えすると、これらの困りごとの多くは「おむつの選び方・使い分け」で改善できます。
私は長年、在宅介護の現場でこうした相談を数多く受けてきました。今回は、その経験をもとに、家族が知っておいてほしいポイントまとめます。
朝のおむつ漏れが続く理由
「パットを2枚重ねて使っているが毎朝漏れている」
この相談、本当に多いです。
原因の多くは次の3つです。
- 日中用パッドをそのまま夜も使用している
- 夜間の尿量に対して吸収量が足りていない
- 寝返りが少なく、尿が一か所に集中している
夜間は、
- 尿量が多い
- 交換までの時間が長い
という特徴があります。日中と同じ対策では足りません。
夜用・長時間用の高吸収パッドに変えるだけで、朝の尿もれがなくなるケースは非常に多いです。
デイサービス送迎中の失禁トラブル
送迎中の失禁は、本人の自尊心を大きく傷つけます。
- トイレに行きたいと言い出せない
- 移動や緊張で尿意が強くなる
- リハビリパンツのみで吸収量が足りていない
送迎時間は、失禁リスクが高い時間帯です。
このような場合は、
- 外出・送迎の時間帯だけ高吸収パッドを併用する
- デイ利用前に必ずトイレに行く
といった時間帯での使い分けが有効です。
リハビリパンツは万能ではありません
リハビリパンツは便利ですが、すべての方に合うわけではありません。
- 尿量が多い
- 失禁回数が多い
- 夜間はほぼ失禁している
こうした場合、
- リハビリパンツ+高吸収パッド
- テープ式おむつへの切り替え
を検討します。
「パンツタイプにこだわらない」ことが、結果的に本人と家族の負担を減らします。
【要注意】認知症の方のリハビリパンツ+パッド併用
ここは、ぜひ知っておいてほしいポイントです。
認知症の方で、リハビリパンツとパッドを併用している場合、実際に起きている事故があります。
パッドを便器に流してしまうケース
- 排泄時にパッドが便器に落ちる
- トイレットペーパーと区別できず、そのまま流す
- 排水管が詰まり、業者対応になる
これは決して珍しい話ではありません。
排水管の詰まりは、
- 生活が一時的に止まる
- 家族の精神的・経済的負担が大きい
という深刻な問題につながります。
一人でトイレに行けても、パッド併用が最適とは限らない
- パッド交換が難しい
- 使用済みパッドの処理ができない
- 便器内に落とすリスクがある
このような場合は、
あえてパッドを使わず、リハビリパンツ単体にする方が安全なケースもあります。
尿量が少ない方であれば、
- 失禁後はパンツごと交換
- 家族が後で対応
という方法の方が、事故を防げることもあります。
自立よりも「安全」と「在宅生活の継続」
在宅介護では「できることを続ける」ことが大切にされます。
ただし、事故や大きなトラブルが起きれば、在宅生活そのものが続かなくなることもあります。
状態に応じて、
- おむつの使い方を見直す
- 介助前提の方法に切り替える
これは後退ではなく、現実的で必要なケア判断です。
おむつ助成制度と医療費控除も忘れずに
- おむつ助成制度は自治体ごとに条件が異なります
- 対象品目や上限額、所得制限もさまざまです
また、一定条件を満たせば、紙おむつ代は医療費控除の対象になります。
年間の負担が大きい家庭ほど、制度を知っているかどうかで差が出ます。
まとめ|おむつは在宅介護を支える大事な道具
- 朝の尿もれ、送迎中の失禁は珍しいことではない
- 多くはおむつの「使い分け」で改善できる
- 認知症の方のパッド併用は事故リスクに注意
- 自立よりも安全と生活継続を優先する
おむつは、ただの消耗品ではありません。
在宅介護を無理なく続けるための、大切なケアツールです。


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