【介護の現場から】公的な老人ホーム「特別養護老人ホーム」とは?メリット・デメリットを解説

「老人ホーム」とひとことで言っても、実はさまざまな種類があります。大きく分けると公的な施設民間の施設がありますが、今回はその中でも公的施設の代表格「特別養護老人ホーム(特養)」(正式には介護老人福祉施設)についてお話ししたいと思います。


特別養護老人ホームとは?

特別養護老人ホーム(特養)は、要介護3〜5の方が入居対象となる、介護度の高い方向けの施設です。

公的な施設なので、民間の有料老人ホームなどに比べて費用が抑えられるのが特徴です。

最近では、古い施設の建て替えも進み、ユニット型個室(1人1部屋+少人数のグループケア)を導入する施設も増えています。


特養のメリット

  • 費用が安い
    介護保険を利用でき、初期費用も不要なことが多いです。
  • 介護度が高くても入居できる
    24時間体制で介護サービスを受けられます。
  • 終身入所が可能
    基本的には、人生の最期まで住み続けられる施設です。

特養のデメリット

  • 入居待ちが長い
    申し込んでもすぐに入れるとは限らず、数ヶ月〜数年待つこともあります。
  • 医療対応が限定的
    高度な医療的ケア(胃ろう・吸引・点滴など)が必要な方は、対応が難しいケースもあります。
  • 収入によって自己負担が増える
    介護保険の自己負担割合は収入に応じて1〜3割。高所得者は3割負担になるため、必ずしも「安い」とは限りません。

特養への入居の流れと注意点

特養への入居は、申し込み順ではありません

施設ごとに「入居判定会議」が行われ、介護度・在宅での生活状況・支援者の有無などを総合的に判断し、入居の必要性が高い方から順に決定されます。

そのため、「複数申し込めば早く入れる」というわけではなく、必要性が高い方が優先される仕組みになっています。


特養を選ぶときに見てほしいポイント

施設選びの際は、必ず現地見学をおすすめします。以下の点に注目してみましょう。

  • 施設内が清潔かどうか
  • 物が乱雑に置かれていないか
  • 職員が丁寧に挨拶してくれるか
  • 入居者の表情や様子(安心して暮らしていそうか)
  • 面会や行事の内容・頻度など

実際に足を運ぶことで、パンフレットやホームページでは分からない「空気感」や「スタッフの対応」が見えてきます。


まとめ

特別養護老人ホームは、重度の介護が必要な方にとって安心して暮らせる公的施設です。

ただし、人気が高く入居待ちも長いため、早めの情報収集と相談がとても大切です。

今後も、民間施設や他の公的施設についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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