私が住んでいる地域は台風が多く、夏になると天気予報が気になって仕方ありません。
というのも、デイサービスに通っていたり、ヘルパーさんが来てくれている高齢者の方も、台風で暴風域に入ると、こうした介護サービスがすべてストップしてしまうことがあるんです。
特に一人暮らしの高齢者や、重度の介護が必要な方にとって、たった1日でも支援が途絶えると生活がかなり厳しくなってしまいます。
この記事では、ケアマネとして実際に災害時の対応をしてきた経験から、在宅介護のご家庭が「いざという時」に慌てずに済むための備えをご紹介します。
介護サービスは、台風でどう止まる?
台風の影響で暴風警報が発令されたり、公共交通機関が止まったりすると、多くの介護事業所が安全のためにサービスを休止します。
止まる可能性があるサービスの例:
- デイサービス(通所介護)
- 訪問介護(ヘルパーさん)
- 訪問看護・訪問入浴
- 配食サービス(お弁当)
こうしたサービスが丸1日以上止まると、日常生活を一人で送るのが困難になるケースもあります。
実際にあった介護現場での話
以前、私が担当していた要介護5の一人暮らしの方は、1日3回ヘルパーが訪問し、食事・排泄などを支援していました。
ある年、大型台風の接近でサービスがすべて休止になることが決定。私たちケアマネジャーは急いでショートステイや病院の非常時受け入れ先を探しました。
最終的に、近隣の病院が「非常時対応」として受け入れてくれ、無事に移動できました。
この時つくづく感じたのは、「直前になってからでは、空きが見つからない」という現実。やはり、早めの相談・準備がとても大切です。
ケアマネの私が勧める“備え”
① ショートステイ・病院入院の事前相談
台風が多い地域では、シーズン前にいくつかのショートステイ施設や病院に相談しておくのがおすすめです。あらかじめ情報を得ておけば、いざという時にスムーズに連絡・調整ができます。
② 停電時の医療・介護機器対策
- 電動ベッド:停電時に手動で動かす方法を事前に確認。
- エアマット:空気が抜けにくい仕組みを知っておく。
- 在宅酸素:ボンベの数や使用時間を事前に確認し、予備の手配をしておく。
③ 家族・地域との連携
- 家族と「もしものときどうするか」を話しておく。
- 地域包括支援センターや民生委員などとつながっておくと、災害時の情報が早く入手できます。
停電に強い!ポータブル電源のすすめ
在宅介護では、停電が起きると本当に困ります。
- 吸引器や酸素濃縮器
- 電動ベッドや見守り機器
- 携帯電話・連絡手段
こういった機器が動かなくなると命に関わることも。そんな時に頼りになるのが「ポータブル電源」です。
おすすめの製品:
商品名 | 特徴 |
---|---|
Jackery ポータブル電源1000 | 軽くて家庭でも使いやすい、バランスの取れたモデル |
EcoFlow DELTA 2 | 高出力&急速充電、停電時にも安心 |
Anker 757 PowerHouse | 1500Wまで対応、寿命が長く信頼性も◎ |
選ぶときのポイント:
- 出力800W以上
- コンセントが使えるか
- サイズと重さ(持ち運べるか)
購入が難しい方へ
実は、ポータブル電源は購入だけでなくレンタルも可能なんです!
- 数日〜月単位で民間レンタルサービスが利用できます。
- 自治体や地域のNPO団体で無償貸し出しをしている場合もあります。
「〇〇市 ポータブル電源 貸し出し」などで検索して、地域の制度を確認してみてください。
避難が難しい方には「在宅避難」も選択肢
高齢者や障がいのある方にとって、避難所での生活は体力的にも精神的にも負担が大きいもの。環境が合わず体調を崩すケースもあります。
だからこそ、「自宅で安全に過ごすための備え」がとても重要です。
まとめ:台風への備えは“想像力”と“行動力”がカギ!
台風や大雨の被害は、毎年のように起きています。
「うちは大丈夫」と思っていても、停電・サービス停止が起きたら、あっという間に“非常事態”に変わります。
介護が必要なご家族がいるなら、ぜひ一度、「電気が止まったら? サービスが来なかったら?」をシミュレーションしてみてください。
この記事が少しでも安心につながれば嬉しいです。
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